山菜に似た有毒な植物たちをご紹介します。
食品安全委員会から、毎年有毒植物の情報が、当スクールの代表に届きます。その一部をご紹介します。
知っておくと役立ちますよ!
例年、春先から初夏にかけて、有毒な成分を含む植物(有毒植物)を、食べても安全な山菜と間違えて食べてしまうことによる食中毒が数多く発生し、中には死に至るケースもあります。山菜狩りの季節は特に注意が必要です。気をつけて楽しみたいですね。
有毒植物ってどんな植物?
私たちが日ごろ食べている野菜や果物は、多くは品種改良が施され、食用に適する性質になっており、栽培管理されています。
一方、野生の植物の中には、食べられるものもありますが、有毒で食べられないものもあります。これを有毒植物といいます。
山菜狩りで、有毒植物を誤って採って食べると、それに含まれる毒が原因となり、食中毒を起こすことがあります。有毒被害の報告がある植物をいくつか紹介します。
過去(平成19年~28年)の主な有毒植物による食中毒の発生状況は以下のとおりです。
植物名 事件数 患者数 死亡数
スイセン 44 176 1
(葉がニラやノビルに似ている。)
バイケイソウ 20 49 0
(新芽がオオバギボウシやギョウジャニンニクに似ている。)
チョウセンアサガオ 19 48 0
(葉がモロヘイヤやアシタバ、根がゴボウに似ている。)
クワズイモ 13 55 0
(葉がサトイモに似ている。)
イヌサフラン 13 23 6
(葉がギボウシやギョウジャニンニクに似ている。)
トリカブト 11 18 3
(葉がニリンソウに似ている。)
厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル」には、有毒植物の生育地や中毒症状が詳しく紹介されているとともに、誤りやすい有毒植物と食べられる植物が対比された写真も掲載されていますので、参考にしてください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/poison/index.html
食中毒になるとどんな症状があらわれる?
有毒植物の毒性成分は、多くの場合、アルカロイドと呼ばれる物質ですが、クワズイモのようにシュウ酸カルシウム(針状の結晶)が毒性成分のものもあります。過去に食中毒が発生している主な有毒植物では、ほとんどが、それを食べてから1時間以内に症状があらわれます。
また、重症の場合には死亡することもあります。
植物名 症状等
スイセン 食後30分以内で、吐き気、おう吐、頭痛等の症状があらわれます。
バイケイソウ 30分~1時間で、吐き気、おう吐、手足のしびれ、めまい等の症状があらわれ、
重症の場合は死亡することもあります。
チョウセンアサガオ 30分程度で口の渇きが発現し、体のふらつき、吐き気、倦怠感、眠気等の症状が
あらわれます。
クワズイモ 食後すぐに、悪心、おう吐、下痢、麻痺等の症状があらわれるだけでなく、汁にふれただけで、皮膚炎を起こすこともあります。
イヌサフラン おう吐、下痢、皮膚の知覚減退、呼吸困難等の症状があらわれ、重症の場合は死亡することもあります。
トリカブト 食後10~20分以内に発症することが多く、口唇や舌のしびれに始まり、次第に手足のしびれ、おう吐、腹痛、下痢、不整脈、血圧低下等の症状があらわれ、けいれん、呼吸不全に至って死亡することもあります。
有毒植物による食中毒を防ぐために
有毒植物による食中毒を防ぐため、以下の4点に注意が必要です。
・食べられると確実に判断できない植物は、採ったり食べたりしないこと。また、人に譲ったり売ったりしないこと。
・山菜等に混じって有毒植物が生えていることがあるので、1本1本よく確認すること。
・家庭菜園や畑では、野菜と観賞植物を一緒に栽培しないこと。また、植えた覚えのない植物は食べないこと。
・野生の植物を食べて体調が悪くなった場合は、すぐに医師の診察を受けること。
厚生労働省からも注意喚起されています。目を通してみてください。
・厚生労働省 有毒植物による食中毒に注意しましょう
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html
最近のコメント